最初に目を奪われたのは“正解率1%”の文字でした。鬼隠し編が出たころ、作者の元に推理メールが100通も届き、その中で本当に核心に迫っていたのはたった一人だけだったというエピソードは、今でも強く印象に残っています。
何も考えずにページをめくっていると、静かな村に少しずつ違和感が広がっていき、気づけば夢中になっていました。原作が出てから20年以上経っても、新しいファンがどんどん生まれています。もしまだ読んだことがないなら、気軽に手に取ってみてください。きっと自分だけの謎にぶつかるはずです。
- 漫画版『ひぐらしのなく頃に』読む順番ガイド
- 各編ごとの簡単なあらすじ紹介
- スピンオフや新シリーズも一覧で案内
- 初心者でも迷わない読み方のコツ
- 物語の世界観・雰囲気を味わうポイント
漫画版『ひぐらしのなく頃に』を読む順番と各編のご案内

マンガなびイメージ
漫画版『ひぐらしのなく頃に』を読むなら、まず「どこから始めるか」迷う人も多いと思います。本作は「出題編」と「解決編」という二部構成で、順番に読んでいけば自然と世界観が見えてきます。
まずは出題編からスタートします。編ごとに違う出来事やキャラクターの視点が描かれ、物語の謎や雰囲気を楽しめます。漫画版も原作と同じく「出題編」と「解決編」に分かれています。順番に読むことで、出来事や人間関係の意味が少しずつ明かされていきます。
本編を読み終えた後には、スピンオフや「業」「巡」「令シリーズ」といった新しい展開も待っています。「業」「巡」はテレビアニメをもとにした物語で、漫画版はそのコミカライズです。令和シリーズ(鬼熾し・星渡し・色尊し)は2023年以降に始まった新作群で、まだ完結していない作品もあります。こうした展開によって、雛見沢という舞台の奥行きや、時代・視点の広がりも感じられます。
初めて読む方は、まず本編の出題編から順に読むのがおすすめです。その後、解決編、スピンオフや派生シリーズと進むと、より広い世界観を楽しめます。自分のペースでゆっくり物語に触れてみてください。
シリーズ分類 | 編タイトル | 簡単な内容・位置づけ |
---|---|---|
出題編 | 鬼隠し編 | 物語の導入・村の日常と違和感 |
出題編 | 綿流し編 | 祭りの夜に起こる出来事 |
出題編 | 祟殺し編 | 沙都子を中心に描かれる葛藤 |
出題編 | 暇潰し編 | 刑事・赤坂視点の過去編 |
解決編 | 目明し編 | 綿流し編の真相に迫る |
解決編 | 罪滅し編 | 鬼隠し編とつながる物語 |
解決編 | 皆殺し編 | 祟殺し編の新たな視点 |
解決編 | 祭囃し編 | シリーズ完結編 |
スピンオフ | 鬼曝し編・宵越し編ほか | 本編と異なる日常・ifの物語 |
新シリーズ | 業・巡・令シリーズ | パラレルや続編としての新展開 |
出題編から始める物語の入口
最初に触れるのが「出題編」。雛見沢村で起こる出来事を、いろんなキャラクターの目線で追いかけるスタートです。自分も最初は「どれが本当の話なんだ?」と混乱しましたが、それが逆にクセになるんですよね。
出題編を読み進めるうちに、雛見沢の独特な空気やキャラクター同士の距離感がだんだん分かってきます。ふとした違和感や緊張感が、気づくとクセになっているんですよね。
複数の視点で物語が進むので、順番に読んでいけば自然と世界に入り込めます。出題編は、「ひぐらしのなく頃に」の入口として親しまれてきたのも納得です。
他にも謎解き好きにおすすめの完結ミステリー漫画をまとめた記事もご用意していますので、ぜひこちらもどうぞ。
鬼隠し編
『鬼隠し編』は、昭和58年の夏、前原圭一が雛見沢にやってくるところから始まります。友達と和気あいあいと過ごしているだけのはずなのに、ある日ふとしたきっかけで村の過去に触れてしまう。気が付くと日常の空気が変わっていて、読んでいる自分も「なんだかおかしいな」と思い始める。そんな“最初の違和感”を味わうなら、この巻からが絶対おすすめです。
綿流し編
『綿流し編』は、主人公の前原圭一が村の友人・園崎魅音や竜宮レナたちと日常を過ごす中、双子の妹・園崎詩音との出会いから物語が動き出します。村で毎年行われる「綿流し祭」をきっかけに、圭一や仲間たちは村の伝統や古い言い伝えに触れることになります。祭りの夜、立ち入り禁止の場所に足を踏み入れたことをきっかけに、日常が少しずつ揺らぎはじめ、登場人物それぞれの関係や心情にも変化が訪れます。静かな村の雰囲気と仲間同士の複雑なやりとりが印象的な一編です。
祟殺し編
『祟殺し編』は、部活動仲間の北条沙都子にスポットが当たるエピソードです。前原圭一は、明るく振る舞う沙都子がさまざまな困難を乗り越えて生きていることに気づき、彼女の力になりたいと考えます。やがて沙都子の家族や村にまつわる過去、そして彼女が直面する問題が明らかになり、圭一は悩みながらも沙都子のために行動を起こそうと決意します。温かな日常の裏側にある葛藤と支え合いが丁寧に描かれていて、心に静かな余韻を残す一編です。
暇潰し編
『暇潰し編』は、警視庁の刑事・赤坂衛が雛見沢村を訪れるところから始まります。大臣の孫の誘拐事件を捜査するため、赤坂は妻を東京に残して、ダム建設反対運動が続く村へ足を踏み入れます。そこで出会ったのは、生き神様と呼ばれる不思議な少女・古手梨花。赤坂は梨花と村を巡るうち、彼女から意味深な忠告を受けます。
このエピソードでは、これまでの編とは違う大人の視点で雛見沢の空気や出来事が描かれ、物語世界の新たな一面を知るきっかけになります。
解決編で深まるストーリー
出題編を一通り読んだあと、いよいよ“解決編”へ。タイトルが一部変更になり『ひぐらしのなく頃に 解』となります。ここから先は、それまでのモヤモヤや違和感が少しずつ明かされていくパートです。自分も読みながら「そういうことだったのか!」と何度も膝を打ちました。いろんなキャラの気持ちや村の謎が、だんだんと輪郭を持ち始める感じがたまらない。
解決編では、キャラクターたちの過去や心の動き、村で起きた出来事の背景が丁寧に描かれます。異なる視点から語られることで、同じ出来事でも印象や解釈が変わり、物語への理解がより深まるのが特徴です。
読み進めるうちに、出題編で感じた疑問や違和感が少しずつ解き明かされていきます。それぞれの物語が持つ個性や重みを味わいながら、雛見沢という村の奥行きや、登場人物たちの成長や葛藤を実感できるはずです。シリーズの核となる部分として、物語全体の奥深さを改めて感じさせてくれる役割を担っています。
目明し編
『目明し編』は、園崎家の双子の妹・詩音が主人公となり、彼女の視点で雛見沢の出来事が描かれます。学園を抜け出した詩音が、生まれ故郷である雛見沢に戻り、姉の魅音のふりをしながら生活を送る中で、北条悟史との出会いが物語の中心となります。
このエピソードは、『綿流し編』で描かれた出来事を別の立場から読み解く構成が特徴です。家族や村の伝統、そして心に秘めた想いが交錯し、これまでとは違う角度から雛見沢の空気や人間関係の深さを感じられます。詩音の成長や葛藤も丁寧に描かれており、シリーズ全体の世界観がより立体的に広がる一編です。
罪滅し編
『罪滅し編』は、竜宮レナにスポットが当たるエピソードです。部活動で仲間と賑やかな日々を過ごすなか、レナの家庭に思わぬ出来事が起こり、穏やかだった日常が徐々に揺らぎ始めます。仲間たちはレナを支えようと奔走し、それぞれの思いが交錯します。
この編は、『鬼隠し編』ともつながりがあり、登場人物たちの信頼や過去が物語の中で大きな意味を持ちます。仲間同士の支え合いや成長が描かれていて、人間関係の深さがじわじわ伝わってくる一編です。
皆殺し編
『皆殺し編』は、北条沙都子とその家族に関わる出来事が物語の中心となります。圭一たちは、再び現れた沙都子の叔父に悩む沙都子を救うため、仲間として協力し合いながら奔走します。村の祭りや部活動の準備を通じて、登場人物たちの絆がより深く描かれるエピソードです。
この編は、出題編『祟殺し編』で提示された出来事や疑問に新たな視点で迫る構成になっているのが大きな特徴です。それぞれの選択や勇気が物語を大きく動かし、仲間たちの信頼や思いやりが鮮やかに描かれています。
未読の方にも、複数のエピソードがどのようにつながっていくのかを感じながら、シリーズの奥行きを味わえる内容です。
祭囃し編
『祭囃し編』は、原作ゲームおよび旧アニメ版における『ひぐらしのなく頃に』の物語を締めくくる解決編です。新たな転校生・古手羽入が雛見沢村にやってきたことで、登場人物たちの関係に新しい風が吹き込みます。部活メンバーたちは、それぞれの思いを胸に日常を送りながら、村や仲間にまつわるさまざまな問題と向き合うことになります。
このエピソードでは、これまで積み重ねられてきた多くの出来事や謎、仲間たちの絆が集約され、物語の集大成として描かれています。過去の経験やつながりが困難を乗り越える力となり、登場人物たちの成長や信念が印象的に表現されています。
シリーズを最後まで読み進めると、雛見沢村の物語がどのようにつながっていくのか、印象的な場面もたくさん登場します。壮大なドラマの結末を見届けたい方にもおすすめの一編です。
スピンオフや新たなシリーズの展開
『ひぐらしのなく頃に』の物語は本編だけでなく、スピンオフや新たなシリーズにも広がりがあります。スピンオフは本編読了後に読むのがおすすめですが、出版社によっては途中で読む順番を推奨している場合もあります(ネタバレ回避のため、本記事では本編読了後を基準にしています)。本編を読み終えたあとも、雛見沢を舞台にしたさまざまな物語やキャラクターの新たな側面を楽しめます。
スピンオフ作品では、登場人物たちの日常や本編では語られなかったエピソードが描かれており、より一層キャラクターへの理解が深まります。また「業」や「巡」といったシリーズでは、本編とは異なる新たな視点や物語の解釈が加わり、読み応えのある展開が続きます。令シリーズは時代やテーマをアップデートした新しい物語で、原作ファンにも新鮮な印象を与えています。
本編の枠を越えた多彩なストーリーは、雛見沢の世界観をさらに広げ、シリーズ全体の魅力をより深く味わえるきっかけになります。興味のある方は、自分のペースで新たな物語にも触れてみると、より一層ひぐらしの世界を楽しめるでしょう。
- 鬼曝し編 ― 本編では描かれない日常や新キャラクター
- 宵越し編 ― 別視点・ifストーリー
- 怪現壊し編 ― 意外な人間模様や独自展開
- 心癒し編 ― キャラの日常や優しさにフォーカス
- その他、各種短編・番外編シリーズ
スピンオフ作品について
『ひぐらしのなく頃に』の世界は本編以外にも多彩なスピンオフ作品に広がっています。たとえば「鬼曝し編」や「宵越し編」、「怪現壊し編」、「心癒し編」などが代表的です。いずれも本編とは違った角度からキャラクターや村の日常、あるいは“もしも”の世界線を描くことで、雛見沢の新たな魅力を引き出しています。
「鬼曝し編」では、事件とは無縁の日常や、新キャラクターを交えたエピソードが描かれます。「宵越し編」や「怪現壊し編」は、本編では見られない展開や意外な人間模様が楽しめる内容です。「心癒し編」などでは、主要キャラクターたちの意外な一面や優しさがクローズアップされています。
こうしたスピンオフ作品は、本編を読み終えたあとにさらに物語世界を味わいたい方や、違う側面からキャラクターを知りたい方におすすめです。出版社によっては途中で読む順番を案内していることもありますが、ネタバレを避けるため本編の後に読むのが無難です。どれも雛見沢の世界をより広げてくれる一冊です。
業・巡・令シリーズについて
『ひぐらしのなく頃に』の本編以降には、「業」「巡」、さらに令和シリーズ(鬼熾し・星渡し・色尊し)といった新たな展開が用意されています。「業」と「巡」はアニメオリジナルのタイトルをもとにした物語で、漫画版はそのコミカライズです。令和シリーズは2023年以降に漫画媒体を中心に展開が始まり、未完結の作品も含まれています。これらのシリーズは、本編で語られた物語を新しい角度や解釈で描き直し、登場人物や舞台の魅力をさらに広げる内容となっています。
「業」や「巡」では、これまでのストーリーに新たな視点や出来事が加わり、雛見沢の世界観がより多層的に楽しめます。令シリーズは、時代やテーマをアップデートしつつ、新たな登場人物や謎が物語を彩っています。
どれも本編を読み終えた方におすすめの続編で、原作ファンはもちろん、もっと深く世界観を味わいたい人にもぴったりです。自分のペースで“新しいひぐらし”にも触れてみてください。
- 業・巡:アニメ版をもとにしたパラレル・続編
- 令シリーズ:2023年以降スタートの新作漫画群
- 原作・本編とは異なる新しい解釈や展開が魅力
- 未完結のエピソードもあるため今後の動向にも注目
物語の世界観と雰囲気を味わうポイント

雛見沢村のモデルとなった白川郷
『ひぐらしのなく頃に』は、昭和後期の架空の村・雛見沢を舞台に、どこか懐かしさと不思議な緊張感が同居する独特の世界観が描かれています。山あいの静かな村で、主人公たちは一見ごく普通の日常を送りながら、少しずつ周囲の空気や人間関係の変化を感じ取っていきます。昔ながらの風習や村社会ならではのしきたりが、物語に奥行きとリアリティを与えているのも大きな特徴です。
本作の魅力は、穏やかな日常の中にときおり混ざり込む違和感や、見過ごされがちな「非日常」の気配にあります。登場人物たちの視点を通じて、村の自然や季節の移ろい、友人や家族とのふれあいが温かく描かれる一方で、少しずつ小さな謎や不安が積み重なっていきます。そのバランスが読者の想像力をかき立て、何気ない場面にも奥深い意味を感じさせてくれます。
シリーズを通して味わえるのは、ただのミステリーやサスペンスとは違う、心のひだに静かに響くような雰囲気です。雛見沢の風景や登場人物の人間味をじっくり感じながら、自分自身も村の住人になったような没入感を楽しめます。作品世界に身を委ねることで、独特の雰囲気や情景が心に残る一作です。
日常と非日常が交わる舞台の魅力
『ひぐらしのなく頃に』の大きな魅力は、平穏な日常の中にふと忍び寄る非日常の気配にあります。雛見沢村で過ごす主人公たちは、友人や家族と過ごす穏やかな日々を大切にしながらも、時折どこか不穏な空気を感じ取ります。四季折々の自然や伝統行事が物語に彩りを添え、村のあたたかな雰囲気が丁寧に描かれる一方で、ふとした出来事が静かな緊張感を生み出します。
この日常と非日常の絶妙なバランスが、読者の心を強く引きつける要素となっています。ほんの小さな違和感や、登場人物たちの微妙な表情の変化が、物語全体に奥行きを与えているのです。村の中で繰り広げられる日々のやりとりや小さな出来事も、やがて大きな流れへとつながっていきます。
何気ない日常が壊れそうになる瞬間、その対比によって、雛見沢の世界や登場人物たちの人間味がいっそう際立ちます。読み進めるうちに、誰もがこの村の“住人”であるかのような感覚を覚える──そんな独自の魅力が、この物語には詰まっています。
読者を引き込む作品ジャンルの幅
『ひぐらしのなく頃に』は、ジャンルの幅広さも大きな魅力のひとつです。ミステリーやサスペンスとしての緊張感はもちろん、時には心温まる日常や、登場人物同士の軽快なやりとり、思わず笑みがこぼれるコミカルな場面も丁寧に描かれています。そのため、物語の中でさまざまな感情が行き交い、どんな読者にも響く懐の深さがあります。
一編ごとに雰囲気やテーマが変わるので、読み進めるたびに新しい発見があります。謎が深まる話と、ほっとする日常のバランスが心地よく、飽きずに楽しめるのも魅力です。重苦しさと温かさ、その振れ幅もシリーズの奥行きになっています。
ジャンルにとらわれない自由な構成が、この物語の魅力をより引き立てています。ミステリーやホラー、ヒューマンドラマが同居する作品ならではの多彩な味わいを、ぜひ感じてみてください。
これから読む方へ伝えたい思い

にぱー
『ひぐらしのなく頃に』は、読む人によって感じ方や心に残る場面が大きく変わる、奥深い物語です。昭和の田舎町を舞台に描かれる友情や日常、そこに静かに忍び寄る違和感と謎。最初は何気ないやりとりや小さな出来事に心が和み、少しずつ広がる人間関係に思わず引き込まれていきます。
シリーズを通して、登場人物たちの葛藤や成長、仲間を思う気持ちの強さを感じます。編ごとに順番に読んでいくと、それぞれのキャラクターの内面や物語の奥行きがよりよく見えてきます。
自分はもともとアニメ版からこの世界に入りましたが、漫画版を読み進めてみると、アニメではさらっと描かれていた場面や、人物の細かな心情がより丁寧に表現されていることに驚きました。ページをめくるたびに新しい発見があり、あらためて物語の奥深さを実感したのを覚えています。メディアごとの表現の違いも、「ひぐらし」を楽しむひとつのポイントだと思います。
繰り返し描かれる日常と非日常の間で、読者自身も「自分ならどうするか」と考えながら物語を楽しめるのが、このシリーズの魅力です。
物語のすべてを一度で理解しなくても大丈夫なので、気負わず自分のペースで読んでみてください。気になる編や好きなキャラクターから始めても楽しいです。長く愛されてきた理由がきっと見つかります。日常の温かさと、思わずページをめくりたくなる緊張感が同居するこの世界を、ぜひ体験してみてください。
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